若い時分、寸借詐欺の爺さんに声をかけられたことがあります。
あまりに小悪党なので可愛いおっさんでしたがまさかの...
寸借詐欺(すんしゃくさぎ)とは、代表的な詐欺のひとつで、人の善意につけこみ小額の現金を借りるふりをして、騙し取る行為を指す。
引用元:wiki
だとは。
色んな人が居ますね。
オッサン
2000年代前半の話なので、随分前の話です。
都内。渋谷まで15分ほどの沿線に住んでいましたが、通勤の駅までの道で知らないオッサンに声をかけられました。
オッサンといっても、もう初老が見えているというか、60がらみでえらく疲れきってた印象でした。
こっちは20代中盤で、ふらふらとバイトをしていた頃。通勤ラッシュの風景ではなかったので、午後からのバイトだったのでしょう。
オッサンが「すみません・・・」と声をかけてきまして
「はい?」
とか返していると
「私はこの沿線に住んでいる者で、所用でこの駅に来たのですが、実は財布を落としまして...」
と、たしかこんな感じで声をかけてきました。
なんだこのオッサン・・・
と思いながら「はぁ...」とか答えていました。
「実は300円あれば帰れるのですが、必ずお返ししますのでお貸しいただけないでしょうか?」
と。
- 「駅前に交番があるからそこで借りたらどうですか?」
- 「まだ明るいしもう寒くもない、頑張って歩いてみてはどうですか?」
等々提案するも
「交番には断られた」
「去年腰をやって長い距離は歩けない、、、」
と、なかなかの食い下がりよう。
面倒臭くなって財布をみたら100円玉がない。
で、面倒臭くなってもういいやと思って、500円玉を「ん」って渡して別れようとしました。
すると、小汚い紙とペンを渡してきて
「必ずお返ししますから・・連絡先を教えてください。住所を書いてくれたら必ず送りますから・・・」
と、食い下がってきました。
こんな胡散臭いオッサンに住んでるところや、電話番号なんか教えられるわけがないですよね。
なので
「いいですよ、それ、あげますから。気をつけて。」
とか言っても
「いえ、そんなわけには...」
とお約束?のモーションを2〜3回演じて、ペコペコしながら去って行きました。
そのときは、変なオッサンも居るなぁ、、
といった印象が残っただけで終わりましたが、そんなことすっかり忘れてたその年の秋口...
半年後
駅に向かう、まったく同じ場所で声をかけられました。
そのオッサンに(笑)
同じような内容を、同じような声色で話しかけられて、すっかり記憶の隅っコに追いやられていましたが、じわじわと思い出してきて、、
このオッサンは数ヶ月前に小銭をやったオッサンだ
嘘濃厚だとは思っていたが、これで嘘が確定した
このオッサンは色んな人に声をかけすぎているせいか、俺から500円たかったことは覚えていない・・・
等々ほわほわほわ~んと思い出しました(笑)
記憶と繋がったら、カッチーンときまして。。
別に500円騙されたことにアタマにきたわけではないですよ。
あの件は騙される前提というか、解放されたかったからだし、百万が一本当のことを言ってる可能性もゼロではなかったワケですからね。
何にアタマきたって、こんな小さな悪さをするオッサンに2回も声をかけられた=俺は騙しやすそうに見られているのか、ということにアッタマきたんですよね。
と沸々と煮えたぎっている最中もまだ「駅がどうの」と一生懸命説明してたけど遮って
「わし、お前に500円やったことあるんじゃけど、まだ要るんか?」
って東京在住も忘れて言葉も故郷のもので言っていたので、結構アタマにきていたようですね(笑)
そうしたら思い出したのか、あ!って顔になって
「駅前に交番があるけ、そこで謳ってこいや」と、首根っこを掴んで交番まで。お巡りさんに事情を話して渡しました。
途中「これから寒くなるからそれだけは勘弁してください・・・」
とか言ってたけど、知ったこっちゃないですよね。生まれて初めてお巡りさんに敬礼されました。
その警官に「寸借詐欺」という言葉を初めて聞きました。
寸借詐欺に出会ったら
それにしても詐欺とも言えないくらい、小さい悪なので、なんだか哀しい気持ちになりましたね。
いい歳したオッサンが、色々大変なのはわかるけど、数百円騙すくらいなら安くても仕事した方がいいだろうに・・・とか。
でも野放しにしておくと、また色んな人が嫌な思いをすることになりますからね。
絶対寸借詐欺復帰するし。
後から知ったことですが、寸借詐欺って昔っからあるやり口みたいです。
意外と被害は多いみたいなので、気をつけてくださいね。本当後味悪いですからね。
数百円〜3千円くらいが多いみたいですが、本当に困ったら交番で貸してくれます。
「公衆接遇弁消費」の中にきっちり記されていて、キチっとした手続きを踏めば、原則1000円借りることができます。
更に「便宜乗車」というのもあって、お金がないけど目的の駅に必ず家族(または知人)が精算しにきてくれる旨を伝えて乗車。→目的の駅で精算という手段もあります。
見ず知らずの通りすがりの他人に頼らなくても、本当に困っている人を見殺しにしたりしない制度は整っていますよね。。。
なので、寸借詐欺と思われる不審な人に声をかけられたら「交番でお金を貸りることができる」ことをしっかり教えてあげるのが一番だと思います。。。
寸借詐欺に会った話まとめ
寸借詐欺をはたらく人はほとんどこの手口のようです。
そもそもからして自分が財布を落としたとしても、見知らぬ人にお金を借りようとは思わないですよね(笑)
後でドヨーンとした気持ちにならないためにも、更なる被害者を出さないためにも、冷たく突き放しましょう。